障害年金の事後重症請求
1 事故重症請求とは
事後重症請求というのは、障害年金の請求方法の一種です。
障害年金の請求は、障害認定日から1年以内に行う「認定日請求」が基本的な請求方法とされています。
事後重症請求は、通常、認定日時点では障害年金を受給できる障害状態にはなかったが、事後的に重症化し、障害状態が悪化したため、現時点からの障害年金の受給を求めるという請求方法です。
2 請求方法の違い
認定日請求と事後重症請求とで極端な申請方法の違いはないと言ってよいかと思います。
大きく違いがある点としては、認定日時点での傷病状態がわかる(通常は障害認定日から3か月以内の)診断書ではなく、現在の障害状態を示す診断書を用意する必要があるところが挙げられます。
言い換えれば、事後重症請求の場合には、現時点での傷病の状態がわかる診断書を取得すれば申請できる、ということになります。
多くの傷病における障害認定日は、初診日(申請傷病に関して初めて医療機関に受診した日)から1年6か月後時点とされています。
初診日が10年以上前等の場合、障害認定日もずっと昔になり、カルテ等の医療記録が残っておらず、通院記録だけ残っていたため初診日は特定できたがカルテがないため障害認定日時点での症状についての診断書が取得できない、ということがあります。
事後重症請求の場合は、障害認定日時点での診断書は不要であるため、障害認定日時点での障害状態がわからない(診断書が取得できない)場合にも利用されています。
3 お早めの準備をおすすめします
上記2のとおり、事後重症請求では、現時点での障害状態を審査し、障害年金の受給を求める請求方法です。
受給が認められるのは、申請した月の翌月からとなります。
例えば、重症化したのが1年前であっても、1年前の時点まで遡って障害年金を受け取れるわけではありませんので、手続をすれば受給できたかもしれない障害年金をずっと受け取れない状態が続いてしまうことになります。
焦って手続きを進めるのもよくはありませんが、事後重症請求の場合には、できるだけ早めに申請手続きを進めた方がよいといえるでしょう。