障害年金がもらえない理由

文責:所長 弁護士・社会保険労務士 石井浩一

最終更新日:2025年02月04日

1 障害年金がもらえない理由

 障害年金は、日本年金機構に受給の申請をし、審査を経て、受給が決定されるものですので、何らかの傷病を抱えていれば必ず受給が認められるものではありません。

 具体的にはどのような場合に障害年金がもらえないのか、障害年金の受給要件を合わせてご説明いたします。

2 初診日が明らかにできない

 障害年金の申請にあたっては、原則として初診日が特定されている必要があります。

 例えば、平成25年の6月1日から6月30日までの間であることが証拠上分かるのでその間の1日に初診日があるといった、特定の期間内の1日を初診日とする申請が認められる例外等はありますが、基本的には特定されていることが求められます。

 基本的な証明の方法は、初診の病院に受診状況等証明書という書類を作成してもらい、申請書類として提出することになります。

 初診の病院に記録が残っていない場合でも、その後の通院先に紹介状等の資料が残っていたために初診日が特定できるといったこともあります。

 医療記録がない場合には、複数の第三者(友人、知人、同僚等)に、初診に関する証明に協力していただく方法もありますが、人の記憶に基づく証言であるため、初診日が特定できるとは限りません。

 結果として、初診日の特定に至らないという理由で障害年金の受給が認められない結果となる場合があります。

3 保険料納付の要件を満たしていない

 初診日が特定できたとしても、初診日が20歳の誕生日以降の場合には、保険料納付の要件を満たしていなければなりません。

 保険料納付の要件は、初診日前日時点において、①初診日が属する月の前々月まで直近1年の未納がない、もしくは②全期間を通じて1/3以上の未納がないことが求められます。

 免除は未納とはなりませんが、「初診日前日時点」で判断されます。

 仕事ができておらずずっと未納状態だった方が、市役所等で保険料納付免除の手続きをしたのが初診日以降の場合、初診日前日時点ではずっと未納であったという状況で納付要件を判断することになり、障害年金の受給が認められないことになります。

4 障害状態

 上記2要件を満たしていれば、障害の状態が障害年金受給を要する程度にあるかを審査されることになります。

 この審査の結果、障害年金が定める状態よりも軽微であると判断された場合も、障害年金の受給は認められない結果となります。

PageTop